認知症先端医療推進センター
大分県由布市挾間町医大ヶ丘1丁目1番地
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各部門の紹介

診療部門

認知症先端医療推進センターの臨床に関して

認知症先端医療推進センター診療部門長  寺尾 岳

認知症には、よく知られたアルツハーマー型認知症のほか、レビー小体型認知症、前頭側型認知症、血管性認知症などさまざまな種類の認知症があります。これらの認知症を的確に診断し、適切な治療を行うことで、在宅の期間が延ばせます。高齢化社会を迎え、このような認知症の患者さんはますます増加の一途をたどっております。大分大学医学部附属病院では今まで、総合診療内科・総合診療科、神経内科、精神科がそれぞれ、かかりつけ医の先生方からのご紹介により、認知症の疑われる患者さんや認知症と診断された患者さんの診療を受け入れて来ました。今回のセンター設置に関しても、このような流れは変わることがありません。ただし、今まで以上に3つの科が連携を深め、発症予防、早期診断、早期治療、精神症状や行動異常などの軽減、リハビリテーションなど、さまざまな場面で、患者さんのお役に立てるように診療を行っていきます。

 特に今までもっとも多くの認知症の患者さんを診療してきた総合内科・総合診療科では、特定の臓器・疾患に限定せず多角的に診療を行っています。ここでは、認知症をありふれた疾患(Common disease)と捉え、生活習慣病と同じように診療し、受診の敷居を低くするために「もの忘れ相談」も行っています。その過程で、認知症の診断や鑑別診断を行い、うつ病、髄膜炎、脳炎、脳腫瘍、正常圧水頭症など治療可能な認知症かどうかも判断します。神経内科では、アルツハイマー病・レビー小体型認知症などの変性疾患、脳血管障害に伴う血管性認知症、脳炎・脳症・正常圧水頭症・てんかんなどの治療可能な認知症の精度の高い診断と最適な治療を行っています。また、地域のかかりつけ医との連携を強化し、診断困難例に対してアミロイドPETやFDG-PETなどの先端画像検査を実施しています。行動心理症状による治療困難例に対しては、薬物治療は勿論のこと、ケアスタッフと協動して患者とその家族の支援にも力をいれています。精神科では、軽度の認知症から認知症に伴う幻覚や妄想、焦燥感、抑うつ気分などさまざまな精神症状に幅広く対応しております。ご家族が認知症やその対応について正しく理解し、適切な環境調整を行っていただき、患者さんに必要なお薬を飲んでいただくことで、本人と家族が穏やかに過ごせることを目標に診療しております。

認知症の診療は、認知症の人、家族、介護者の方々とのチーム医療ですので、私どもは認知症の人と家族の気持ちを尊重し、介護者の負担軽減がされるよう、かかりつけの先生方や地域包括センター、ケア・マネージャーと連携を取り、多職種協働を目指しています。

 

 

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