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集中治療部

大分大学医学部附属病院 集中治療部より
診療案内(研修医・学生の皆様へ)
「私たちと一緒に全身管理のプロを目指してみませんか?」

集中治療部(ICU;intensive care unit)は,重症患者を収容し高度な医療レベルで強力かつ集中的な全身管理を行うことにより患者を回復させる中央診療部門です。

ICU(集中治療部)

大分大学ICUは1985年に6床で開設され,2008年救命救急センターの開設に伴い12床へ増床,2012年10月救命救急センター棟の新設に伴い10床で運営を行なってきました。そして2016年8月より1床あたり20㎡以上の特定集中治療室管理基準に対応した8床の新設ICUにリニューアルし,24時間体制で最高水準の医療を提供できるようにさらなる努力を重ねています。これまで我々が治療した重症患者数はすでに13,000例を超しており,大分県下最大規模の急性期医療の中枢として重要な役割を担っています。

過去11カ年の大分大学ICU入室患者数

一般的に,ICUはopen ICUとclosed ICUに分けられます。ICUに集中治療専任医が配置されていない場合をopen ICU,治療のすべてを常に集中治療専任医が行う場合をclosed ICUと言います。ICUに常時集中治療専任医を配置したclosed ICUはopen ICUと比べて重症患者の予後改善につながるとの報告が多数あります。

大分大学ICUは麻酔科医が集中治療専任医として常時重症患者管理を行う「closed ICU」であることが特徴で,開設以来このシステムで運営し30年を越える歴史があります。なぜ麻酔科医がICUにおいて中心的な役割を担うようになったのでしょうか?それは,手術中に行われている呼吸循環管理,体液の調節,あるいは中枢神経系の制御など,重症患者の全身管理を行う上で欠かすことの出来ない技術を麻酔科医が備えているからです。大分大学ICUでは,手術麻酔で学んだ知識や技術を基盤にしながら人工呼吸器・心循環補助などの呼吸循環管理,術後急性期疼痛管理のみならず,腎不全・肝不全における血液浄化療法,経静脈および経腸栄養管理法,各種超音波法,感染制御など集中治療医学特有の管理を行っています。

ICU入室患者の内訳としては,70%が当院での定例手術後患者で,残りの30%が院内もしくは院外からの重症救急患者です。診療科別の内訳は心臓血管外科が約50%と最多で,その他外科系診療科に限らず内科,小児科など多岐にわたります。救命救急センター棟の新設後も,多臓器補助が必要な症例や緊急手術適応と判断される症例は当ICUで管理しています。

2015年度太田大学ICU 各科別入室患者数(計642名)

このように多岐にわたる重症患者の全身管理を行うために,ICU専任医をリーダーとした合同カンファレンスや各種勉強会を導入し,スタッフがチームとして各患者に最適な最新のエビデンスに基づいた質の高い安全な治療を選択できるよう心がけています。

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研究では,大分大学麻酔科学講座のテーマでもある侵襲学の解明と新規治療法開発に向けて,大学病院のICUとして治験や臨床研究,基礎研究にも積極的に取り組み,学会報告のみならず,多数の論文化(医学博士取得学位論文含む)も行っています。

教育に関しては,日本集中治療医学会においては敗血症診療ガイドラインや集中治療専門医テキスト,日本急性血液浄化学会においては標準マニュアルの作成メンバーとして,わが国の集中治療領域に関与する医療スタッフのレベルアップと治療の標準化のための活動を行っています。さらに,大学内のみならず,大分県下全域の麻酔・集中治療の質向上を目的とし,若手医師・看護師・臨床工学技士等を対象とした麻酔・集中治療に関するセミナーの運営も行っています。

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学生実習では,ICU若手医師やICU研修医が屋根瓦方式により直接指導を行います。4年次生の研究室配属希望者には臨床研究や基礎研究を選択していただき,データ収集や統計処理などを学んでいただくだけでなく,日々の臨床実習や学会発表にも積極的に参加していただきます。5年次生には1日ごとに担当患者を割り振り,患者の病態を把握して問題点を挙げ治療法に至るまでレポートとしてまとめることで,各臓器保護を目的とした集学的治療法について学んでもらいます。さらに6年次生の選択実習では5年次生で学んだ内容を踏まえて,より臨床に近づけた実習を行っています。ICU専任医の指導の下,検査や処置の介助を通じて患者ごとに異なる集学的治療の意義を学んでいただいています。

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研修医教育に関しては,麻酔科研修で学ぶ気道確保,呼吸管理,循環管理などの麻酔技術を基本として,そのうえで重症患者に対する集中治療医学特有の治療法について学ぶことを目標としています。また,ICUと手術麻酔の同時研修も可能であり,知識や技術の取得だけでなく,国家資格である麻酔科標榜医を早期に取得しやすい環境にあります。さらに,全国国公立大学病院集中治療部協議会集中治療教育プログラムや日本集中治療医学会集中治療専門医テキストに準じ,最新のエビデンスに基づいた集中治療勉強会を毎週開催しています。

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当施設は日本集中治療医学会専門医研修認定施設ならびに日本急性血液浄化学会研修認定施設であり,集中治療専門医や急性血液浄化認定指導者の指導の下,麻酔科専門医,麻酔科認定医がICU専任医として研鑽を積み,集中治療専門医や急性血液浄化認定指導者の資格取得を目指すことが可能です。

院内院外を問わず,研修・見学希望者の受け入れを随時行っておりますので,遠慮なくご相談ください。

「私たちと一緒に全身管理のプロを目指してみませんか?」

当ICUにおける治療の一部を紹介します

大分大学ICUで可能な各臓器の休息(rest)治療とは?
低体温療法
蘇生後(心肺停止後)脳症のほか頭部外傷などで脳圧が上昇した場合に適応があると報告されている治療法です。全身麻酔下で全身の体温を34度程度まで低下させ,虚血領域やその周辺での神経細胞の損傷や脳浮腫などを防ぐために行われますが,感染や循環不全などの合併症もあるため高度な全身管理ができるICU で行う必要があります。
補助循環
IABP(大動脈内バルーンパンピング), PCPS(経皮的心肺補助装置),VAD(体外設置型補助人工心臓)などの補助循環装置が必要な,心臓外科術後や心筋梗塞後の心拍出量低下,心筋症や重症心不全の患者さんに対し,超急性期を乗り越え,次なる治療への橋渡しが出来るよう,厳密な全身管理を行っています。
NPPV(非侵襲的陽圧換気)
呼吸補助は気管挿管,気管切開下の機械的人工呼吸が主ですが,マスクやネーザルハイフローを用いた肺にやさしいNPPVも施行しています。
ECMO(体外式膜型人工肺)
機械的人工呼吸で対応できない重症呼吸不全で,肺保護を目的とした新たな治療戦略としてECMOを導入し,さらなる治療成績の向上を目指しています。
図 ECMO施工前後における胸部画像所見の改善
血漿交換療法
肝不全に伴う毒性物質の除去とアルブミンや凝固因子などの欠乏因子を補充するために行われる治療法です。大量の輸血血漿を使用し体液置換をするため副作用も多く,他臓器の機能障害も合併する場合は高度な全身管理ができるICU で行う必要があります。
血液浄化療法
CRRT(持続的腎代替療法)の一つとして, HFVCHDF(高流量持続的血液透析濾過)を国内でも先駆け的に導入し,腎機能低下症例にとどまらず,循環不全,呼吸不全,肝不全,中毒,敗血症など様々な疾患の急性期治療に応用し,良好な治療効果を得ています。また,CRRT施行中の薬物動態の変動など,治療に不可欠となる臨床データを解析し,画一的ではなく,より個々の病態に応じたテーラーメイドの治療を心がけています。
大分大学ICU RRTの選択,大分大学ICU using HFV-CHDF protocol
敗血症治療
敗血症になった場合,治療が遅れてしまうと臓器傷害やショックとなり生命にかかわってしまいますので早急な敗血症治療が必要になります。当院ICUでは,このような患者さんに対し積極的にハイレベルな集学的治療を行い,非常に良好な治療成績を報告しています。
過去11カ年の大分大学ICU入室 重症敗血症及び敗血症性ショック患者の28日死亡率

敗血症診療ガイドラインに準じた治療を行うことはもちろんですが,ガイドラインを凌駕する究極の医療を目指しています。

教官スタッフおよび担当分野

職名 氏名 専門分野/専門領域
教授・部長 北野 敬明 麻酔・集中治療医学
診療教授・副部長 後藤 孝治 麻酔・集中治療医学
講師 日高 正剛 麻酔・集中治療医学
助教 安田 則久 麻酔・集中治療医学
助教 古賀 寛教 麻酔・集中治療医学
助教 山本 俊介 麻酔・集中治療医学
助教 安部 隆国 麻酔・集中治療医学
助教 大地 嘉史 麻酔・集中治療医学

麻酔科医師22名(集中治療専門医8名,インフェクションコントロールドクター4名,急性血液浄化認定指導者3名),看護師34名(急性・重症看護専門看護師1名,集中ケア認定看護師1名),臨床工学技士12名,薬剤師1名,管理栄養士1名がスタッフとして勤務しています。

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