
医療における薬物治療の重要性は年々高まっています。よい薬をいち早く患者さんのもとで使えるようにしなければなりません。このためには、有効性と安全性を確認する必要があります。厚生労働省が医薬品として承認する前に、治験と呼ばれる臨床試験において有効性と安全性を確認しますが、この段階を「創薬」と呼びます。薬は使い方により、益になれば、害になることもあります。薬は患者さんそれぞれに用法・用量がことなり、適正な使い方がとても重要です。薬の害を最小限に止めて、益を最大限に高めるためには、科学的根拠(エビデンス)に基づいた使い方に関する信頼できる情報が必要になります。薬の市販後において、薬に関して信用できるエビデンスを得る臨床試験の段階を「育薬」と呼びます。
臨床薬理センター(薬物治療内科)は附属病院開設当時より科学的な薬物治療の確立をめざして診療活動しており、この存在は広く知られているところです。
臨床薬理センターには四つの外来があります。「創薬育薬クリニック」、「臨床試験専用外来」、「心身症外来」、「お薬相談外来」です。これらの外来を通して、最新の臨床薬理学的知見を元に合理的な薬物治療を推進するため、また新たな薬物治療の開発や検証を行うための診療を行っています。
平成19年より厚生労働省が全国から10カ所の治験中核病院を選定しましたが、本附属病院はその一つに選ばれました。そのプロジェクトリーダーとして、本附属病院が治験を含む臨床研究推進の規範となるよう整備を進めています。また文部科学省・日本医師会の支援のもと「豊の国臨床試験ネットワーク」が開始されました。臨床薬理センターはこの中心となり、現在60を超える地域の医療機関を結ぶネットワークが構築されつつあります。質の高い臨床試験の実施は、新しい画期的な新薬の開発・ 医療の質の向上につながり、ひいては市民の方々の健康・福祉に貢献致します。