皮膚がん検診
過去の取り組み
2007年度
日 時: 2007年11月17日(土)、18日(日)
場 所: はさま未来館(挟間健康文化センター)
2006年度
日 時:2007年1月27、28日 「はさま未来館」にて実施
受診者数:273人
居住地内訳(由布市117人、大分市117人、別府市10人、
豊後大野市6人、臼杵・杵築・国東・津久見市各3人、
宇佐・佐伯・竹田市・日出町各2人、
玖珠郡・中津市・不明各1人)
結 果:基底細胞癌の人 3人
良性腫瘍にて検診後治療(精密検査含む)を受けた人 24人
2000年度〜2005年度まで
2000年度〜2004年度 漁業主体の海岸部及び農業主体の山間部、
2005年 大分県南部の町にて皮膚がん検診を実施
日光角化症(皮膚の前がん状態)について
有病率(人口10万人当り)
海岸部(漁業主体)・・・・・・1399人
山間部(農業主体)・・・・・・ 261人
南部の町(漁業+農業)・・ 556人
スキンタイプによる発症率の違い
スキンタイプ1(日焼けして赤くなって黒くならない)の
人が発症しやすいことが判明
自然消退が25%あることが判明
早期発見の重要性
皮膚がんの進行とは?
大きくなる → 切除の範囲が大きくなる
深くなる → 転移しやすくなる
転移する → 臓器に転移すると手術による治療が困難となる
悪性黒色腫(メラノーマ)の5年生存率
浅く(腫瘍の厚さが1.5mm以下)、転移のないもの
→ 98%
所属リンパ節転移を来たしたもの
→ 40%
遠隔転移をしたもの
→ 12%
- 皮膚がんの中で非常に悪性度の高い悪性黒色腫でも、
初期で進行していなければ、治癒が期待できます。
- しかし、一旦転移すると、治癒の確率はかなり低下します。
- 時間がたつほど、大きく、深くなり、転移しやすくなるため、
早めの受診によって早期発見をすることが大切です。
皮膚がんセルフチェック
- 比較的最近(ここ数年以内に)きづいたできもの
- だんだん大きくなってきているできもの
- やけどなどの傷のあとに新しい傷があるもの
- なかなか治らない傷、潰瘍。しる(浸出液)が出るところ
- かさぶたがついたりとれたりするところ
- 血がにじむできもの、血がにじんだことのあるできもの
- 黒いできもの
- 茶色のできもの。特に色の濃い部分と薄い部分があるところ。
- かたく触れるできもの
- 皮膚の表面は普通の色でもつまむとしこりのあるところ
- 乳房、外陰部、わきのただれ、色がついたり抜けたりしているところ
- 爪に茶色や黒色がついているもの
良性のものに共通するものもありますが、以上のどれかに当てはまるものがあったら、一度、皮膚科医の診察を受けてみられることをおすすめします。
皮膚がんの実例
辺縁がぎざぎざして形も不整、盛り上がっているところ、内部に色が抜けているところ、色も黒色調の強いところや茶色のところなど濃淡がある、など悪性黒色腫の特徴を持つ。

やはり、辺縁がぎざぎざして形も不整、濃淡があるなど悪性黒色腫の特徴を持つ。

幅が広く、色調も濃淡があり、爪の根元の皮膚(後爪郭)まで褐色斑が広がっており、悪性黒色腫の特徴を持つ。

境界明瞭、形は不整、わずかな盛り上がりがあり、内部は黒色の小さい結節が不規則に配列しており、基底細胞癌の特徴を持つ。

境界明瞭、形は不整、盛り上がっており、褐色の大きさの異なる小結節で構成されており、基底細胞癌の特徴をもつ。

盛り上がっており、表面には潰瘍を伴い、白色の壊死組織が付着するなど、有棘細胞癌の特徴を持つ。

陰部に生じた境界は部分的に不明瞭な紅斑で、わずかに扁平に隆起、一部にびらんを伴うなど、乳房外パジェット病の特徴を持つ。
皮膚がんは、同じ病気でも見た目がかなり異なることも多く、上記のような典型的な所見を持つとは限りません。また、皮膚がんは種類も多く、診断が難しい場合もあります。気になるできものは自己判断せずに、皮膚科医の診察を早期に受けて下さい。
腫瘍外来(皮膚がんの専門外来)
外来案内
- 外来日時: 月曜日(初診受付 8:30〜10:30)
- 対象疾患: 全ての皮膚がん(皮膚がんの疑いも含みます)
主な疾患として、悪性黒色腫、有棘細胞癌、
基底細胞癌、乳房外Paget病など
検査方法
生検(組織検査)、ダーモスコピー、超音波検査、
CT・MRI等の画像検査、センチネルリンパ節生検など
- ダーモスコピー
悪性黒色腫、基底細胞癌その他皮膚がんの診断に有用であり、肉眼的に診断がはっきりしない場合、積極的に用いています。皮膚を拡大することにより、肉眼では分からない腫瘍独自のパターンが見えてきます。
色素性母斑(良性)の一例
従来では診断がはっきりせず切除されていた症例も、ダーモ
スコピーにより明らかに良性と診断されれば、切除する必要
がなくなりました。
悪性黒色腫の一例

肉眼では見えない悪性黒色腫独自のパターンが見えます。
治療方針を決める参考になります。
- センチネルリンパ節生検
リンパ節転移の有無を高い精度で調べるため、比較的体に負担の少ないセンチネルリンパ節生検を行っています
- 皮膚がんと転移
- 血行性転移・・・・・・血管を通って臓器に転移
- リンパ行性転移・・・リンパ管を通ってリンパ節に転移。がん細胞はリンパ節に引っかかるのでリンパ節は関所のようなものと言える。
- センチネルリンパ節とは?
- センチネルリンパ節とは、病巣からリンパ管にのってはじめにひっかかるリンパ節のことを言います。
- 多くの場合、このセンチネルリンパ節を調べて、転移がなければ次のリンパ節にも転移がないと推測されます。
- センチネルリンパ節をみつける方法
- がん病巣部の周りに検査薬を注射します。これがリンパ管を通ってセンチネルリンパ節にたまります。
- それを撮影し(シンチグラフィー)、検査薬に音で反応する機械(ガンマプローブ)を用いて探し、摘出します。
- センチネルリンパ節生検の長所
- 従来、リンパ節郭清術を行っていた症例も、センチネルリンパ節生検で転移がなければ、郭清術をしなくてすむケースがあります。
治療について
- 皮膚がんは疾患ごとに取り扱いの仕方が細かく決まっており、原則としてそれに準じて治療方針を決めます。
- 年齢、部位、進行度その他の要因を考慮し、最善の方法を患者さんと話し合い選択するよう努めています。
皮膚がん 〜大分大学医学部皮膚科・形成外科の取り組み〜