[発行] 大分大学医学部附属病院広報誌発行委員会

再生した歯で食事を楽しく

 

  インプラントは義歯(入れ歯)の使用が困難な人に適応し、QOLの向上という21世紀医療の流れに乗って近年急速に普及しつつあります。
 歯を失ったあごの骨は徐々にやせ細っていきます。義歯を維持する歯が無くなったり、あごがやせると義歯は安定せず、咀嚼が難しくなります。軟菜やおかゆなどに食べ物が制限されることも少なくありません。
 噛めない入れ歯では食事が楽しくありません。義歯に代わる咀嚼回復の方法としてインプラント義歯があります。顎の骨に金属製の人工歯根を埋め込み、その上に噛み砕くための装置を作ります。40年前にインプラント義歯が盛んな時がありました。しかし、材料や研究が十分とはいえず、短期間で脱落や骨が吸収されたために普及しなくなりました。20年前頃から、金属チタンが骨細胞と親和性が高いことが明らかにされ、チタン製の人工歯根が開発されました。これにより、安定したインプラント義歯が可能となりました。
 当科では以前よりインプラント治療を行ってきましたが、本治療が保険対象外であるため、治療を強く希望する患者さんや顎の骨を失い通常の義歯では咀嚼ができない方に限って、治療してきました。しかしインプラント治療が広く普及し、本治療への要望が増してきたことから、今回「インプラント専門外来」を開設し、咀嚼障害に悩む方々の治療をすることになりました。インプラント義歯を希望される方は当科外来にご相談ください。

 

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(文責 歯科口腔外科 柳澤 繁孝)

最終更新日時: 大分大学医学・病院事務部管理課作成