悪性肺炎の流行でマスクを香港に緊急輸出

 悪性肺炎「重症急性呼吸器症候群」(SARS)が香港を中心に広がっていることを受け、
日本の衛生用品メーカーが、香港にマスクの緊急空輸を始めた。

マスク大手の白十字が先週、西友とイオンの香港店などに計1万5000枚を空輸。
興和ヘルスケアーも今週初め、商社経由で数千枚を送ったほか、ユニ・チャームも
香港の政府関係機関から要請を受け、輸出を検討している。

白十字は、フィルターの目が細かく、5ミクロン以上の物質の侵入を防ぐガーゼの
高機能マスク(標準小売価格約500円)と、不織布で作った通常のマスク(同50円程度)を
半数ずつ出荷する。今後、商社経由で数万枚を輸出する計画だ。

SARS被害の広がりにより、マスク需要は日本国内でも急増している。白十字では
先週ごろから、高機能タイプを中心に、例年の倍の1日2万枚近くが売れているという。
香港ではマスクは医療機関しか使わず、日本のように駅の売店などで買えないため、
国内需要に加え、日本企業が国内で大量に注文し、駐在員らに送っている影響も出て
いると見られる。

 (2003/4/3/14:38 読売新聞