新型肺炎ウイルス、新種「コロナ」と確認して命名

新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)の主因とみられるウイルスが新種の
コロナウイルスであることを、日本など9か国の11機関が参加している世界保健
機関(WHO)の研究協力ネットワークが確認し「SARSウイルス」と命名した。

サルの培養細胞にこのウイルスを感染させると、ウイルスが増殖して細胞が変形す
るが、SARSから回復して体内に免疫のできた患者の血清が、この変形を抑制す
ることなども確認した。この血清が治療に使える可能性も出ている。

SARSウイルスの増殖を様々なコロナウイルスに対する強力な免疫物質が抑制し
たことや、遺伝子の部分的な解析から、コロナウイルス属の一種であることが確か
められた。

ただ遺伝子の配列は、3グループに大別される既知のコロナウイルスとは異なるた
め、新種と判明した。

ネットワークは、SARSウイルスを検出するための検査方法を、すでに3種類開
発したが、それぞれ長短があって、実用水準には達していない。今後、3種類の検
査を実際の患者に適用しながら、精度を高めていくという。

(2003/4/8/14:31 読売新聞WEB版)