新型肺炎拡大で空気清浄機増産へ…シャープ・松下

シャープと松下電器産業は14日、家庭用空気清浄機を増産する方針を明らかに
した。新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)の広がりに伴う引き合いの
急増に対応するためだ。

シャープは、上海市にある冷蔵庫などの生産子会社に約3000万円かけて設備
を増強し、5月から清浄機の現地生産を始める。特殊なイオンの働きで空気中に
浮遊するウイルスやカビの活動を抑える清浄機で、当初は6月からの生産を予定
していたが、計画を1か月前倒しする。

日本で製造した機種は香港とシンガポールで既に売られているが、SARS被害
が拡大した3月以降に売り上げが急速に伸び、現地では在庫がない状態だ。月内
に計3000台を追加輸出するが、今後は上海の工場で月3000―5000台
を生産し、主に中国で販売する。

松下電器産業も中国・広東省順徳にある現地工場をフル稼働させて、清浄機の生
産台数を月1200台にする。香港では3月に2001年の年間販売台数とほぼ
同じ約800台を受注し、4月以降も注文が殺到しているため、需要増に応じる。

ただ、両社の清浄機は除菌効果などは確認されているものの、SARSの予防効
果は科学的に立証されていないという。

(2003/4/15/03:06 読売新聞WEB版)