新型肺炎「SARSウイルス」と命名

【ロンドン=飯塚恵子】世界保健機関(WHO)のヘイマン
感染症対策部長らは16日、ジュネーブで記者会見し、新型
肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)の原因は、コロナ
ウイルスの新種と断定したと正式に発表した。また、このウ
イルスを「SARSウイルス」と命名したと述べた。

ヘイマン部長らは、同ウイルスの特徴について、「比較的早
く突然変異する」とし、より強力な感染力を持つ危険なウイ
ルスに変わり得ると指摘した。

WHOは、同肺炎の原因について、10か国13研究所の専
門家と解明を進め、同日、日本の国立感染症研究所などが加
わった検討会議を開催、結論に達した。今後、診断方法やワ
クチン、有効な治療方法の開発の研究を進める。

◆厚労省、「指定感染症」に◆

WHOがSARSの病原体を新型コロナウイルス「SARS
ウイルス」と断定したことを受けて、厚生労働省は16日、
感染症法の「新感染症」から「指定感染症」に指定する方針
を決めた。指定感染症に切り替わると、患者が発生した場合
に従来より迅速な対応が可能となる。

感染症法では感染症を、危険性の高さに応じて1―4類
感染症に分類している。

(2003/4/16/23:43 読売新聞WEB版)