鳥インフルエンザでオランダの医師死亡 欧州で初の死者

オランダの獣医師が、鳥インフルエンザが原因と見られる肺炎で亡くなった。
欧州での死者は初めて。亡くなったのは、同国南部のデンボッシュに住む57
歳の男性で、鳥インフルエンザが流行する養鶏場で治療にあたった後、体調の
異変を訴え、数日後の17日に死亡した。同国保健省は「肺から鳥インフルエ
ンザのウイルスが検出された。他に死因は見いだしにくい」としている。

鳥インフルエンザは、97年に香港の養鶏場で流行し、感染した18人のうち
幼児ら6人が死亡、今年2月にも中国福建省に旅行した香港人が感染、2人が死亡した。

2月末からオランダ、ベルギーの養鶏場で流行し、すでに1100万羽以上が
処分され、欧州連合(EU)も養鶏産品の輸出を暫定的に禁止している。両国
とも養鶏場で作業する獣医師らに、薬の服用など予防策をとるよう求めている。

SARSも鳥類のウイルスが原因との見方が強まり、両者の関係を指摘する
声もあるが、世界保健機関(WHO)は「鳥インフルエンザは、人から人へ
の感染は極めてまれ」としている。

(2003/4/21/22:06 朝日新聞WEB版)