SARSで卸売市場の2400人自宅待機 シンガポール

シンガポール最大の生鮮食品卸売市場で新型肺炎・重症急性呼吸器症候群
(SARS)の感染者3人が見つかり、政府は21日、職員約2400人
全員に自宅待機を命じ、市場を月末まで閉鎖することを決めた。同国内の
SARS感染の大半は病院内で起きていたが、今回、多くの人が出入りす
る市場での感染が確認され、一般社会への拡大の懸念が急速に強まっている。

この市場では野菜販売業者の男性が12日にSARSで死亡。この男性
から感染した別の業者とタクシー運転手、看護師の発症が確認された。

死亡した男性は入院した病院内での大量感染の原因となった人物。
政府では男性が感染力の強いSARSウイルスを持っていた可能性が
高いと見ており、男性が市場で働いていた今月5〜8日の間に市場を
訪れた人には感染の兆候に注意するよう呼びかけている。

また、この市場は国内の小売店への供給の5割以上をまかなっており、
一部のスーパーなどで野菜などの入荷が出来ない事態に陥っている。

(2003/4/21/17:38 朝日新聞WEB版)