SARSで経済に不透明感 日銀支店長会議で指摘相次ぐ

日本銀行が21日に開いた支店長会議で、全国の支店長たちは、
イラク戦争後の国際情勢に加え、中国などでの新型肺炎・重症
急性呼吸器症候群(SARS)の感染増がもたらす日本経済の
先行きへの不透明感を相次いで指摘した。
観光客の減少のほか、長期化すると中国からの部品輸入など
実体経済への影響が広がると懸念する。

具体的な指摘は「アジア向けの生産や輸出に持ち直しの動きが
あるが、SARSの影響が不透明だ。まだ部品輸入は順調だが、
長引けば日本から品質検査の指導などに人を派遣しづらいなどの
影響が出かねない」(大阪支店)、「九州からのアジア向け観光
客数は4〜6月で予約を含めて前年比5割減っている。管内の
工場にも連休明けごろから影響が出る可能性がある」(福岡支店)、
「逆に、香港や台湾からのツアーのキャンセルが出ている」
(札幌支店)などだった。
(2003/4/21/20:31 朝日新聞WEB版)