FDA、輸血によるSARS感染防止のガイダンスを発行

http://www.bpro.or.jp/contents/japanese/pages/o_news/2003/0304_22_fda.html

4月17日に発行された米国食品医薬品局(FDA; Food and Drug Administration)
のガイダンスによると、重症急性呼吸器症候群(SARS; Severe Acute Respiratory
Syndrome)による影響を受けた区域への旅行者は、米国に帰国してから14日間は
供血停止とされる予定であるという。影響区域には、中華人民共和国、ハノイ、
ベトナムおよびシンガポールが含まれる。SARSの急性症状を経験した人は、
症状と旅行履歴を併せて証拠とし、症状が消え、且つ全ての治療が完了して
から28日が過ぎるまで、供血停止とされる。FDAは、血液事業者がこの
ガイダンスを、発行から30日以内にできるだけ早く実施するよう勧告した。

このガイダンスは、SARSに最近曝露を受けたかまたは急性のSARSに罹ったかも
しれないドナーを一時的に供血停止する対策を規定している。これら対策には、
ドナーがSARSの危険な状態にあるか否かの判断を補助するための追加の限定的
質問を含んでいるが、これは、疾病対策・予防センター(CDC; Center for
Disease Control and Prevention)によって定義されたハイリスクであることが
知られている区域へ最近旅行したこと、またはSARSまたはSARS擬似症例の人と
接触したことを理由とするものである。

加えてこのガイダンスは、血液事業者に対して、既に献血を行った人が献血前14日
以内に発生したSARS関連の暴露について、または献血前28日以内にSARS或いは
治療を報告するよう、積極的に働きかけるよう求めている。ドナーにはまた、
献血後14日以内に発生したSARSまたは治療を報告するよう働きかけることが
求められる。SARSに曝されたかまたは感染された可能性のあるドナーに由来
すると確認された献血ユニットは、隔離され、血液供給から無期限に除外される。

専門家向けガイダンス
"Recommendations for the Assessment of Donor Suitability and
Blood Product Safety in Cases of Suspected Severe Acute
Respiratory Syndrome (SARS) or Exposure to SARS "

は、以下のウェブサイトで参照できる。

httm://www.fda.gov/cber/gdlns/sarsbld.htm

4/18/03, AABB Weekly Report Vol.9, No.14

http://www.aabb.org/marketplace/Subscribe_Online/weekly_report.htm

(森定 康明)