北京の新型肺炎感染者1440人、中国本土で最大に

【北京=竹腰雅彦】中国衛生省は30日、新型肺炎(重症急性呼
吸器症候群=SARS)の北京市の感染者数が同日午前10時現
在で、前日比101人増の1440人に達したことを明らかにし
た。これまで最も感染者の多かった広東省を上回り、北京が、香
港(感染者1589人)を除く中国本土で最大の感染地帯となった。

感染拡大が止まらない状況について、北京市の王岐山・市長代理
は同日、記者会見し、感染者の隔離施設や、呼吸器専門の医師・
看護師が不足するなど、「状況は非常に厳しい」と述べ、危機感
をあらわにした。

同市では30日朝現在、約1万1300人を感染者や感染の疑い
のある人に「密接に接触した」として隔離しており、施設の確保
が緊急課題となっている。王市長代理は、感染者の収容率と治癒
率の向上、死亡率と医療関係者の2次感染率低下が重要課題と指
摘した。

会見ではまた、香港のマンションで発生したような集団感染が、
市内の大学の学生宿舎で起きていたことも初めて確認された。

(2003/5/1/00:52 読売新聞WEB版)