流行の長期化視野に対策…トロントで新型肺炎対策会議

【アトランタ=笹沢教一】世界各地で猛威を振るう新型肺炎(重症急
性呼吸器症候群=SARS)の対策会議が、カナダ・トロントで30
日から2日間の日程で始まり、初日の協議では、「流行の長期化を視
野に入れた対策が必要」との見方が大勢を占めた。1日には正確な診
断方法の共有化など具体的な感染防止対策をとりまとめる見通しだ。

アジア以外でSARSに関する国際的な対策会議が開かれたのは初め
て。会議には、米疾病対策センター(ジョージア州アトランタ)のガ
ーバーディング所長や世界保健機関(WHO)の感染症対策部門の責
任者ヘイマン博士など100人を超す保健当局者や専門家が出席。感
染者・死亡者が最も多い中国本土の厚生当局者は出席せず、領事館の
職員がオブザーバーとして傍聴した。

会議では「SARSは容易にはなくならない」「長期的にどう管理し、
予防に役立てていくかが重要」とする意見が相次いだ。

一方、カナダの保健当局は30日、SARSの死亡者が2人増えて
23人になったと発表。ただ、トロントでは同日からWHOの渡航
延期勧告が解除された。

(2003/5/1/19:20 読売新聞WEB版)