マスク、消毒、手洗い…外食産業が新型肺炎対策を強化

外食産業各社が、新型肺炎(SARS)の感染予防策を強化し始めた。
中国やシンガポールなどから帰国した従業員を10日間は勤務シフトか
らはずす企業も出ている。現行の衛生マニュアルでの対応を続ける企業
が、対応を強化するケースも出てきそうだ。

「タリーズコーヒー」を展開するフードエックス・グローブは1日、従
業員が通勤時に外科用マスクを着用することを義務づけ、店内のいすや
テーブルを30分おきに消毒し始めた。フードエックスは、従業員に1
時間おきの手洗いとうがいも義務付けている。

ただ、各社ともすでに厳しい衛生管理を行っており、日本マクドナルド
は、1時間に1度の手洗いや、38度以上の熱がある従業員は勤務させ
ないという現行規定を徹底する。

日本ケンタッキー・フライド・チキンや、外資系コーヒーチェーンのス
ターバックスコーヒージャパンなどは、米本社とSARS対策を協議し
ているが、新たな対策に踏み切る予定はないという。

だが、すでにSARSの被害が出ている香港のスターバックスでは、店
内で接客する従業員への感染予防マスクの着用を義務づけており、「国
内でも同様の対応を強いられる可能性もある」(広報室)という。

(2003/5/1/21:43 読売新聞WEB版)