成田の帰国者、政府の外出自粛やマスク要請に戸惑い

政府が新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)対策として中国か
らの帰国者に10日間の外出自粛やマスク着用を求めた1日、成田空港
に降り立った人たちは、「当然」「難しい」と様々な反応を見せた。

上海に出張で10日間滞在した横浜市保土ヶ谷区、会社員森重実さん
(47)は、「会社から『帰国後は外部だけでなく、家族とも接触を断ち、
会社の寮で過ごすように』と言われている。自宅で家族が待っているが、
私自身も今は会わない方がいいと思っている」とあきらめの表情。

勤務先の上海から一時帰国した横浜市旭区、会社員斉藤道雄さん(45)
は「仕事上、10日間も他人と会うなというのは難しい」。出張先の中
国・大連から戻った東京都墨田区、会社員山口浩さん(50)も「政府
の方針には従いたいが、商談や社内の打ち合わせもあり、他人と接触し
ないというのは現実的でない」と話した。

また、北京駐在の夫らとともに帰国した横浜市港南区の菊地君代さん
(47)は、マスクについて、「着用して出歩くと、中国からの帰国
者と分かってしまうのではないかという抵抗感がある」と語った。

(2003/5/1/22:11 読売新聞WEB版)