中国から帰国ラッシュ、厚労省が受け入れ態勢急ぐ

新型肺炎(SARS)が猛威を振るう中国本土、香港からの邦人帰国
が相次ぐ連休を控え、厚生労働省は2日から、医療機関や自治体向け
の講習会をほぼ連日開催し、患者受け入れ態勢の整備を急ぐ方針だ。

中国には昨年10月現在で、北京市に約7100人、香港に2万6200人
など、計6万4000人余りの在留邦人がいる。連休前後に北京市
だけで約3000人が帰国するとみられ、同省では「患者が発生す
るかどうかは、連休前後が正念場」と緊張感が高まっている。

医療機関向けの講習会が開かれるのは2、7、9日の計3回。約300
の感染症指定医療機関と、全国166か所の国立病院・療養所の中で、
担当医師や看護師ら約320人が対象。SARSの診断基準などについ
て、国立国際医療センターの専門医らが説明。中国や香港では院内感染
から流行が拡大したことから、防止策の徹底を指導する。

75か所の地方衛生研究所への講習会は6日に開かれ、国立感染症研究
所の幹部が、病原体である新型コロナウイルスの性質や、世界保健機関
(WHO)が開発を進める3種類の検査法の長短所を解説する。

同じ6日には都道府県などの担当幹部を集めた会議も行われる。患者発
生時の状況を想定しながら、行政の対応手順を示す。

(2003/5/1/22:21 読売新聞WEB版)