新型肺炎、死者は435人に

【ジュネーブ=大内佐紀】世界保健機関(WHO)は3日夜(日本時
間4日未明)現在の新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)の
世界での感染状況を発表した。それによると、死者は前日より18人
増え435人に達し、感染者(感染可能性例を含む)も191人増の
6234人となった。

死者の増加は、中国が9人、香港が9人だった。

この発表では、中国での感染者は、3971人、死者190人、香港
は感染者1621人、死者179人となっている。WHOでは「中国
のSARS渦をどう抑えるかが、世界的なSARS対策のカギ」(ヘ
イマンWHO感染症対策部長)との危機感を募らせている。

このほか、カナダが感染者149人、死者22人、台湾が感染者10
0人、死者8人、シンガポールが感染者203人、死者25人などと
なっている。

一方、中国衛生省による4日の発表では、中国本土のSARS感染者
数は、前日比163人増の4125人となり、4000人を突破した。
死者は同7人増の197人となった。

◆北京市など感染「重度」地域に認定…WHO◆

【ジュネーブ=大内佐紀】世界保健機関(WHO)は3日、新型肺炎
SARSの感染度合いについて、中国の北京、広東省、山西省と香港
が「重度」、カナダ・トロント、シンガポール、台湾が「中度」、モ
ンゴル・ウランバートルが「軽度」と認定すると発表した。

中国のモンゴル自治区と天津も、感染地域リストに掲載されているが、
その度合いについては「不明」となっている。

WHOによると、「軽度」認定は、流行地から来たSARS患者に直
接接触した人が2次感染した地域。「中度」はさらに3次、4次と感
染が広がっているが、感染ルートが特定できている地域。「重度」は
それ以上に感染が広がっている地域。

「重度」と認定した場所については、WHOは渡航自粛を求める勧告
(渡航延期勧告)を出している。

(2003/5/4/21:26 読売新聞WEB版)