新型肺炎で国際会議次々延期、財務省が対応に苦慮

イラク戦争や新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)の影響で、
4―5月に予定されていた金融・経済関係の国際会議の延期が相次ぎ、
財務省は対応に苦慮している。一連の会議で、財務省はアジア各国の
通貨建て債券市場の創設に向けて、各国の合意とりつけを計画してい
たが、先送りとなっている。

まず、新型肺炎の影響で4月25日にマニラで開催が予定されていた
東南アジア諸国連合(ASEAN)と日中韓による「ASEANプラ
ス3」の財務相代理会合が延期になった。また、5月21―23日に
イスタンブールで開くはずだったアジア開発銀行の年次総会も、トル
コ政府がイラク戦争に伴う混乱を懸念し延期を決定。総会は6月30
日にマニラで改めて開くことが決まった。財務省は、アジア債券市場
の創設を目指して、マニラの会合で実質的な討議を終え、イスタンブール
で正式合意するシナリオを描いていたが、完全に思惑が外れた格好だ。

(2003/5/4/22:03 読売新聞WEB版)