粗悪マスクや違法薬品…中国で新型肺炎便乗商法

【上海=伊藤彰浩】新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)
流行が続く中国で、粗悪なマスクや違法薬品を売りつける悪徳業
者の摘発が相次いでいる。こうした業者による被害は患者数の多
少に関係なく各地で発生しており、不安心理が全国に広がってい
ることを示している。

6日現在の患者数は6人ながら、感染拡大への警戒感が高まって
いる上海では、違法漢方薬を販売した民間病院が4日摘発された。

地元紙報道によると、社内用に大量購入した企業では、下痢やめ
まい、頭痛を訴える社員が100人近く出たところもあったという。

同病院は、中国語で「非典型性肺炎」と呼ばれるSARSに似せて、
違法漢方薬を「非典1号」と名付けていた。この薬剤は1袋10
元(約150円)で1万袋も売れたといい、不安にかられて予防
に走った市民が多数いたのは確実だ。

(2003/5/7/01:43 読売新聞WEB版)