新型肺炎「疑い例」患者もウイルス検査

厚生労働省と国立感染症研究所は6日、新型肺炎(重症急性呼吸
器症候群=SARS)の感染を疑われた患者について、原則、全
員のウイルス検査を行う方針を固めた。

国内での検査対象は、肺炎の症状がある「可能性例」患者に限定
されていたが、より軽症の「疑い例」患者にも広げる。

世界保健機関(WHO)が診断基準を改定し、疑い例でも、ウイ
ルス検査が陽性になった場合は、厳重な監視が必要な可能性例に
格上げするよう求めたことを受けた措置。

これまで検査精度に問題があるとして、国立感染症研究所が、可
能性例を中心に実験的に検査していた。実際に国内の患者からウ
イルスが検出された事例はない。今後は国立感染症研究所と都道
府県などの地方衛生研究所が、患者から採取したのどの粘膜や尿
などを使って、SARSウイルスの有無を調べる。

同省には疑い例46人、可能性例16人が報告され、このうち、
経過観察中の疑い例3人を除いた残り59人はSARSを否定さ
れた。疑い例は、流行地から帰国後10日以内に、38度以上の
発熱とせきなどが出た場合で、可能性例は、疑い例の中で肺炎の
症状が出た場合を指す。

(2003/5/7/03:04 読売新聞WEB版)