中国・天津から神戸港着の定期客船、新型肺炎で初検疫

世界保健機関(WHO)が中国・天津を新型肺炎(重症急性呼
吸器症候群=SARS)の流行地域に指定したのを受け、厚生
労働省神戸検疫所は7日、神戸港入りした天津間の定期客船
「燕京(ヤンジン)」(9、960トン)に初の検疫を行った。

SARS予防で国際航路の定期客船を検疫するのは全国初。流
行地域の指定解除まで続けられる。

燕京は毎週1便の往復運航。SARSの影響で4月の乗客数は
前年同期比34%減の675人。この日も定員442人に対し、
27人とかなり少なめ。

午後3時過ぎ、神戸ポートターミナルに接岸。マスクを着けた
検疫官3人が船内に入り、あらかじめ乗客に配られていた質問
票で下痢、おう吐などの症状の有無をチェックしたり、船長か
ら乗員、乗客の健康状態を聞き取ったりした。

天津大学に留学中の滋賀県内の男性(20)は「親から、すぐ
に帰るよう言われて帰国した。大事な試験があるので8月には
戻らなければ。流行が早く収まってほしい」と話していた。

(2003/5/7/18:31 読売新聞WEB版)