新型肺炎対処で北京市政府内にWHO事務室設置

【北京=竹腰雅彦】新華社電によると、北京市の王岐山・市長
代理と世界保健機関(WHO)のベケダム駐中国代表は9日ま
でに、北京市政府にWHO専門家の事務室を設け、市当局と共
同で新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)情報の収集、
分析の強化を図ることで合意した。

WHOからは2、3人の専門家が送られる予定。社会主義体制
下で秘密保持が優先される中国で、政府機関に外国人専門家を
常駐させ、情報共有を図るのは異例と言える。感染拡大への危
機感と国際協調アピールの狙いがあるとみられる。

9日の中国衛生省の発表によると、中国本土のSARS感染者
数は前日比118人増の4805人となった。先月20日以降、
平均100人の新たな感染者が出ていた北京市の感染者増加は
48人で、深刻な感染実態が明らかになってからは、最低の伸
びとなった。

(2003/5/9/19:46 読売新聞WEB版)