新型肺炎の偽予防薬販売、米で中止勧告

【ワシントン=笹沢教一】新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=
SARS)の世界的拡大に伴って効能がないのに「予防薬」を
販売する業者が続出し、米連邦取引委員会(FTC)と米食品
医薬品局(FDA)は9日、健康食品などをインターネットで
販売していた48業者に対し、不当な表示や偽りの効能をう
たった販売の中止を勧告した。

こうしたにせSARS薬の中には、単に効かないだけでなく副
作用を引き起こしたり、免疫力が低下してしまう恐れのあるも
のも含まれており、両機関は注意を呼びかけている。

業者たちは、SARSを予防できるとして、ビタミンCやオレガノ
油、植物毒のベラドンナを含む健康補助食品などを販売していた。

両機関では、「これらの商品には科学的な根拠がない」として
おり、警告後も不当な表示を削除したり、改善しない業者に対
しては、訴追手続きなどの厳正な処分を行うとしている。連邦
法では、にせの効能を表示した業者に対しては、業務差し止め
を命令できるほか、最高1万1000ドルまでの民事罰(過料)
を請求できる。また違法な薬品に対しては回収措置を講じるこ
ともできる。

(2003/5/10/11:43 読売新聞WEB版)