新型肺炎感染地域からの乗客全員、伊が診断義務

【ローマ=秦野るり子】イタリア政府は、新型肺炎(重症急性
呼吸器症候群=SARS)を水際で防ぐため、中国などSAR
S感染が拡大している「高度危険地域」からイタリアに乗り入
れる飛行機の乗客全員に対し、到着空港で医師の診断を義務づ
ける新対策を10日から導入する。メッサジェロ紙が9日、伝えた。

それによると、「高度危険地域」からの直行便だけでなく、他
国を経由した便にも適用される。このため、欧州連合(EU)
域内の自由な移動を認めるシェンゲン条約の効力を一時、停止
し、EU諸国経由の便の乗客にも診断を受けさせるという。
ローマ、ミラノなど主要空港から徐々に導入する予定。イタリ
アではこれまでに9人に感染の疑いが浮上しているが、ほとん
どが中国からの帰国者。イタリア政府は、「感染者の出国を規
制していない」(シルキア保健相)と中国を批判している。

(2003/5/10/13:18 読売新聞WEB版)