過少報告を告発した中国人医師、自らの健在を強調

【香港=関泰晴】新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)
の感染状況を中国が過少報告している実態を内部告発した後、
消息が途絶えていたとされる北京の医師が、16日付の中国系
香港紙「香港商報」などに登場して健在を証明した。内部告発
者を保護する姿勢を示して、イメージ回復を図ろうとする中国
政府の思惑が働いていると見られる。

北京の人民解放軍総医院(三〇一病院)に勤務する蒋彦永医師
(72)で、中国政府が感染者数や死者数を偽り、過少報告し
ている疑いがあると告発する文書を実名で書き、先月初旬に内
外の報道機関に送った。これを受け、中国政府は先月20日に
会見を開き、これまで隠していたSARSの実態を報告。蒋医
師は中国の秘密主義を打ち破った最大の功労者と称賛されたが、
その後の消息が分からなくなり、蒋医師の安否を気遣う声まで
も出ていた。

(2003/5/16/23:37 読売新聞WEB版)