「赤ん坊が治療法話した」中国農村部でデマ広がる

【上海=伊藤彰浩】「生まれて間もない赤ん坊が、緑豆のスー
プを飲めば疫病が防げると言った」「長年、口のきけなかった
老人が、午前0時前に爆竹を鳴らせば肺炎が追い払えると突然
語った」――。新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)
の流行する中国の農村部でこうした流言飛語が急速に拡大している。

国内各地からの報道を総合すると、デマが広がり始めたのは今
月初めごろから。さまざまな「秘法」を語る主が「赤ん坊」と
「口のきけなかった人」であることは共通しているが、その内
容はスープ、爆竹のほか、「ヨモギやショウブを入り口につるす」
「(葬儀などに用いる)紙銭を燃やす」などさまざまで、こう
した「予防策」を実際にとる人も多いという。

広東省広州の有力紙「南方週末」(15日付)によると、デマ
の発生源は内陸農村部の湖北省や湖南省と見られ、今月4日以
降、わずか4日間に周辺の14省に広がった。

(2003/5/16/23:38 読売新聞WEB版)