関西帰りの台湾医師隔離、新型肺炎感染の疑い

【台北=若山樹一郎】台湾の衛生署(衛生省)は16日、日本
から台湾に戻った台湾人の男性医師(26)が新型肺炎(重症
急性呼吸器症候群=SARS)に感染している疑いがあると発
表した。この医師は現在、台北市内で隔離され、感染の有無を
調べる詳しい検査を受けている。

同署によると、この医師は院内感染が起きた同市の馬偕記念病
院に勤務。今月8日、観光ツアーに参加して日本アジア航空E
G218便で台北から大阪入りし、13日に同航空EG217
便で大阪から台北に戻った。旅行社の日程表によると、ツアー
参加者は大阪のほか京都や姫路を訪問。さらに小豆島を経由し
て四国も回った。この医師がすべての日程に参加したかどうか
は不明という。

また、日本アジア航空台湾支社によると、217便には乗客67人
(うち日本人9人)、乗員19人(同12人)が搭乗していた。

この医師は台湾で新型肺炎の患者の治療も行っていた。日本滞
在中の9日に発熱したが、薬を飲んでいったんは収まった。台
湾に戻って2日後の15日に新型肺炎に似た症状を示したため、
衛生署が馬偕記念病院内に隔離した。



厚生労働省は、日本から台湾に戻った台湾人医師が新型肺炎
(SARS)に感染している疑いがあるとの台湾当局の発表を
受け、16日夜から、医師が日本で宿泊したホテルの従業員や
宿泊客の健康調査を始めた。

(2003/5/16/23:50 読売新聞WEB版)