厚労相が台湾に抗議表明

新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)患者と確認され
た台湾人医師(26)が、解熱剤を服用しながら日本国内を旅
行していたことについて、坂口厚生労働相は17日、読売新聞
の取材に対し「医の倫理に反すること。(結果的に出国を許し
た台湾当局に対し)厳重に抗議したい」と語った。

厚労省では医師の感染確定を受け、同日夕に「SARS対策本
部幹事会」を開き、都道府県と同省との連絡・調整窓口となる
「SARS対策オペレーションセンター」を設置することを決
めた。大阪府など関係府県との連携がうまくいっていないとの
指摘を受けた措置。

厚労省は医師が立ち寄った大阪、京都、兵庫、香川の4府県の
ホテルの従業員や宿泊者について健康状態の追跡調査を始めた
が、その対象は約1100人。17日までに約600人が「異
常なし」と確認された。

一方、10日から13日にかけて医師ら一行を乗せた貸し切り
バスの運転手が、発熱して16日から入院していることが判明
した。慢性呼吸器疾患の持病があり、すでに平熱に戻っている
が、「疑い例」とされた。

(2003/5/17/21:03 読売新聞WEB版)