感染兆候あったのに渡航許可、勤務病院へ批判集まる

【台北=若山樹一郎】台湾で17日、日本への観光ツアーに参
加した台湾人医師(26)の新型肺炎(SARS)感染が確認
されたが、院内感染の兆候があったにもかかわらず、海外渡航を
許した勤務先の馬偕記念病院(台北市)に批判が集まっている。

この医師が救急診療科で夜勤をしていた今月4日には、治療室
に重症の新型肺炎患者が運び込まれたが、中央通信などによる
と、同病院では5日に死亡したこの患者について、6日には看
「感染疑い例」として衛生当局に通報。6日か護師ら3人が隔離
されるなど院内感染の危険ら8日にかけ、性が認識されていた。

同病院では、この医師が直接、この患者に接触していないうえ、
日本への出発前の8日も健康に問題がなかったことなどから、
海外渡航の制限などを定めた台湾当局の規定には抵触していな
かったとしている。
陳建仁・衛生署長(衛生相)は17日、「この医師が感染を隠
して渡航したとすれば処罰する」と話した。

(2003/5/17/22:32 読売新聞WEB版)