新型肺炎急増の台湾から駐在員ら続々帰国

新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)による死者が増
え続ける台湾から、現地駐在員らが成田空港に帰国している。

19日夜も、台北からの便が到着するたびに、マスク姿の家族
連れが降り立った。「10日間はホテルで待機するように会社
から言われています」。帰国した人たちは安堵(あんど)の表
情を浮かべながら、帰国してからも続く不安を口にした。

駐在員の夫を台北に残し、2人の子供を連れて帰国した福岡市
の女性(49)は「1週間ほど前、自宅近くのデパートでSA
RSの感染者が見つかった。感染が近くまで来ていると思うと
怖かった。感染が広がっている地域に残してきた夫のことが心
配」と話した。

夫の会社からは、帰国後10日間は空港近くのホテルに滞在し、
外出しないよう指示されているといい、「仕方ないけれど、ス
トレスがたまりそう」。

また、仕事で台北に駐在していた千葉県鎌ヶ谷市の男性会社員
(39)は、やはり10日間は出社しないように会社から言わ
れているといい、「迷惑をかけないように実家には立ち寄らず、
どこかホテルを探します」と、帰国後の不自由な生活を嘆いていた。

(2003/05/19/21:19 読売新聞WEB版)