新型肺炎、大分医科大学対策セミナー

新型肺炎、大分医大病院の対応は
「院内感染対策が重要 他の患者との接触避ける」

大分医大は十五日、学内で新型肺炎(SARS)をテーマにした感
染制御部セミナーを開いた。WHO(世界保健機関)の疫学調査で
香港の状況を見てきた感染分子病態制御講座(微生物学)の中島一
敏氏がSARSの疫学全般を、感染制御部(検査部)の平松和史氏が医
大病院のSARSへの対応を講演した。

中島氏はSARS感染はどのようにして拡大したか、WHOはどう
対応したか、SARSの臨床症状などを語った。一初期の感染拡大
をみると家族内での感染と医療機関での感染がほとんど。院内感染
対策は重要である」と語った。

平松氏はSARSが疑われる患者が来院したときの医大病院の対応
について「医療機関から疑い症例があるが送ってよいかと連絡があ
った場合は、SARSの受け入れ病院になっている第二種感染症指
定医療機関に行くように言う。患者さんから直接電話があった場合、
あるいはいきなり来院した場合は医大病院が診察を行う。その際、
日中であれば救急部の診察室を使うなど、他の患者さん、医療従事
者とできるだけ接触しないようなところで診察を行う」と、四月末
に配布した医大病院のSARS対応マニユアルの内容を説明した。

検体の運搬はどうするかなど多くの質問があった。感染制御部の那
須勝部長(第二内科教授)は「SARSが医大病院に入ってくるこ
ともあるということを念頭に患いて、治療、研究に従事してほしい」
と呼び掛けた。

(2003/05/19/00:00 大分合同新聞夕刊)