検疫所は最前線…新型肺炎問題で厚労省が緊急会議

厚生労働省の関西空港検疫所が、新型肺炎(重症急性呼吸器
症候群=SARS)に感染した台湾人医師に関する情報を放
置していた問題で、同省は21日、全国13の空港や港の検
疫所の所長を集めて緊急会議を開いた。

会議の中で中谷比呂樹・同省厚生科学課長が「検疫所は最前
線の危機管理機関との認識をあらたにしてほしい」と訓示。
検疫所に寄せられた情報の管理・報告の徹底を指示した。

台湾人医師の情報をめぐっては、大阪府内の日本人医師が15
日午後7時半ごろ、関西空港検疫所に電話で「台湾人医師は
日本に滞在していた」と伝えたが、電話に出た職員がだれに
も報告しなかった。

また、同検疫所が翌16日午前10時ごろ、別のルートから
入ってきた情報を、厚労省本省の検疫所業務管理室に報告し
たが、SARS対策の司令塔となっている同省結核感染症課
の幹部に情報が届いたのは同日正午過ぎで、情報伝達の遅れ
が問題となっている。

(2003/05/21/12:12 読売新聞WEB版)