北京市長更迭の理由は新型肺炎の「患者隠し」

【北京=浜本良一】中国の新型肺炎(重症急性呼吸器症候群
=SARS)の対応を巡り4月下旬に孟学農・北京市長が更
迭されたが、世界保健機関(WHO)の調査に対して市当局
が行った“患者隠し”の責任を問われたことが分かった。中
国筋が21日明らかにしたもので、孟氏自身も事前に市内の
病院を視察、患者の発生状況を熟知していたという。

WHO北京事務所によると、WHOの専門家調査団は、4月
11日から同15日まで、市内の軍301、同309病院、
中日友好病院などを調査した。しかし、米誌報道などによる
と、病院側は、同調査団が到着する数時間前にSARS患者
を数十人規模で別の病院に移したり、調査中には、患者を救
急車に乗せて市内を走らせるなどの患者隠しを行っていたと
される。

中日友好病院の何恵宇・院長はこのほど行った会見で、「市
衛生局から市内3か所のSARS指定病院に移すよう指示を
受け、患者を救急車で搬送した。最短時間で移送し、市内を
ぐるぐる回ったわけではない」と語り、患者を移した事実は
認めている。

(2003/05/21/19:59 読売新聞WEB版)