八戸沖の貨物船中国人船員が発熱、新型肺炎疑いで検査

厚生労働省に21日夜に入った情報によると、中国・広東省、
韓国・釜山などを経由して青森県・八戸港に入港予定のシン
ガポール船籍の貨物船内で、中国人乗組員(26)が、軽い
せき、頭痛、首の痛みを訴えていることがわかった。

乗組員は今月16日時点で、38―39度の発熱があったと
いい、新型肺炎(SARS)の疑いもあることから、厚労省
仙台検疫所長らが現地に向かい、22日朝から船内に乗り込
んで症状を確認する。乗組員は風邪薬を服用しており、21
日夜の段階で36度台まで熱が下がっているという。

この貨物船は鉱石を運搬する船で、中国人とミャンマー人計
22人が乗り込んでいるが、症状が出ているのはこの乗組員
だけという。現在、船は八戸港外で停泊中。

厚労省は入管当局に対し、貨物船の乗組員全員の上陸を認め
ないよう要請している。乗組員にSARS感染の疑いがある
と判断された場合、人道的見地から青森県内に入院させるこ
ともあるとしている。



第2管区海上保安本部(宮城県塩釜市)によると、日本に寄
港した船内での対応は想定外のため、防護服やゴーグルなど
は仙台検疫所から借りて準備することにしている。検疫所の
係官が患者を入国させて治療させると判断した場合は、八戸
海上保安部の巡視艇で搬送する。

(2003/05/22/01:49 読売新聞WEB版)