台湾の死者増加1日8人、中国本土を上回る

【台北=若山樹一郎】台湾の衛生署(衛生省)は22日、新
型肺炎(SARS)の死者が前日より8人増えて60人、感
染者は65人増えて483人になったと発表した。死者、感
染者の増加数とも、中国本土のこの日の増加数(死者4人増
で300人、感染者数26人増で計5271人)を上回り、
SARS禍の焦点は次第に台湾に移っている。

感染者数が増えたことについて、同署は「検査スピードを速
めた結果」と説明している。世界保健機関(WHO)は21
日、渡航延期勧告をこれまでの台北地域から台湾全土に広げ
たが、蘇益仁・同署疾病管制局長は「台北市の通報例がゼロ
になるなど、(感染の)ピークはすでに過ぎた。『緊急命令』
などは発布しない」と語った。

また、同署は22日までに、深刻な院内感染が起きた台北市
の市立和平病院や高雄市の高雄医学院付属病院など4病院に
対し、当局への通報が遅れたとして、それぞれ150万台湾
ドル(約510万円)の罰金を科すことを決め通知した。

WHOによると、21日(日本時間22日未明)現在でまと
めたところでは、世界全体の死者は4人増えて666人、感
染者数は7956人だった。

(2003/05/22/22:38 読売新聞WEB版)