新型肺炎、感染力衰えず冬に大流行も…専門家分析

新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)の原因ウイル
スは、流行が始まってからの過去5か月間で感染力がほとん
ど衰えていないことが、世界保健機関(WHO)の専門家の
調べでわかった。

日本では、SARS感染の台湾人医師をめぐる騒動が“終息”
したばかりだが、米国の専門家からは早くも「今冬には大流
行する可能性もある」と長期戦を予測する声も出ている。

AP通信の報道によるとWHOは、1人のSARS患者から
5か月間で、少なくとも15人が連鎖的に感染した例を確認
しているという。ウイルスの中には、人間に感染すると次第
に感染力が弱まるものがあるが、ヘイマン感染症対策部長は
「SARSウイルスは、感染を繰り返しても感染力が弱まっ
ていない」と見ている。

また今後のSARS動向について、米疾病対策センターのガ
ーバディング所長は22日の記者会見で「(SARSのよう
な)呼吸器障害を伴う病気は、冬に悪化する」と述べ、「冬
に流行しないよう祈っているが、秋口からのSARS拡大を
見越した準備をしておくべきだ」と警告した。

(2003/05/23/21:43 読売新聞WEB版)