新型肺炎:タヌキ、アナグマからもコロナウイルス WHO

世界保健機関(WHO)の新型肺炎「重症急性呼吸器症候
群」(SARS)担当官は23日、中国と香港の研究機関
がジャコウネコ科のハクビシンに加え、タヌキからSAR
Sコロナウイルスとほぼ同一のコロナウイルスを確認、さ
らにアナグマの一種からSARSコロナウイルスの抗体を
検出したと語った。

ハクビシンについては香港大が同日、SARSコロナウイ
ルスの遺伝子配列に似たウイルスを検出、新型肺炎はハク
ビシンから人に感染した可能性が強いと発表。しかしこれ
ら3種類を含め、野生動物がウイルスを人間にうつしたか
どうかについては「現段階で結論は出せない」と述べ、今
後も調査が必要だと述べた。

担当官によると、中国と香港の研究機関は中国で売られて
いる8種類の野生動物、計25匹を調べた。うち6匹はハ
クビシンだった。

その結果、ハクビシンは6匹すべてからコロナウイルスを
検出するか、遺伝子検査によりコロナウイルスの存在が確
認できた。動物が保有していたウイルスの量や、人間に感
染するかどうかは確認できていないという。

別の担当官は、中国はこれら動物の取引を規制する方針を
明らかにしたと語った。担当官は予防措置として「こうし
た野生動物を料理用に処理する際は、十分注意するきだ」
としている。(ジュネーブ共同)

[毎日新聞5月24日] ( 2003-05-24-12:54 )