WHO総会、新型肺炎感染疑いの迅速通報促す決議案

【ウィーン=大内佐紀】ジュネーブで開会中の世界保健機
関(WHO)年次総会で採択されるSARSに関する決議
案が、25日までに大筋でまとまった。日本、中国、米国
や東南アジア諸国連合(ASEAN)などが共同で策定した。

決議案は、SARSを世界規模の戦略が必要な問題と位置
づけ、国際協力の重要性を強調した。具体的には、WHO
加盟国に対し、感染の疑いが出た場合、迅速かつ透明性の
ある形でWHOに通報するよう促し、WHO事務局には渡
航自粛勧告などの指針を細かく出すよう求めた。そうした
警戒措置が取られないまま、中国から他国にSARSの感
染が拡大したことを念頭に置いたものだ。

一方で、WHOがSARSの「流行地域」を指定するにあ
たり、対象となる国の社会・経済的負担の軽減にも留意す
るよう求めた。

米国は、台湾への支援の必要性に言及する文言を決議案に
盛り込むことを希望、これに反対する中国と対立している
が、決議案は最終日の28日までには採択される見通しだ。

(2003/5/26/12:34 読売新聞WEB版)