台湾副総統、オブザーバー参加見送りでWHOを批判

【台北=若山樹一郎】台湾の呂秀蓮・副総統は28日、台
北市の総統府で本紙と会見し、世界保健機関(WHO)が
今月、年次総会で台湾のオブザーバー参加を見送ったこと
について、「WHOは台湾人民を犠牲にした」と強く批判、
その上で「来年は正規メンバーとして加盟申請することも
検討中だ」と述べた。

台湾参加が見送られた最大の原因は、「中国の一部である
台湾に参加資格はない」とする中国の主張だ。

呂氏は「WHO総会で中国代表は、『台湾のSARS対策
の面倒も見ている』と堂々とうそをついた」と中国を非難。
WHOの対応についても「総会では、SARSの発生源と
なり、患者隠しも行った中国への批判はなかった。WHO
は政治的に汚染されている」と不満を述べた。

一方、台湾で4月以降、SARSの感染が急拡大した原因
について触れ、「台北市立和平病院と同市衛生局で感染情
報隠しがあった。中央と地方の連携も十分でなかった」と
述べた。また、この問題について、司法当局が調べている
ことを明らかにした。

(2003/05/29/01:14 読売新聞WEB版)