中国で新型肺炎制圧の兆し…WHOが評価

【ジュネーブ=大内佐紀】世界保健機関(WHO)が29
日夜(日本時間30日未明)にまとめた世界の新型肺炎
(重症急性呼吸器症候群=SARS)感染状況によると、
SARSによる死者数は世界全体で前日より5人増えて
750人となり、感染者(感染可能性例も含む)は17人
増の8295人だった。中国本土での新たな感染者は北京
での3人にとどまり、死者は2人だった。

WHOは、「中国内で監視・通報体制と病院の対応が整っ
た地域では、SARS感染が制圧されつつあることに、慎
重ながら楽観視出来る」と初めて評価し、SARSの感染
源と見られ感染拡大も著しかった中国でのSARS制圧に
向け、展望が開けてきたとの認識を初めて示した。

中国政府は最近「中国各地で、SARS感染はピークを越
えた」と表明していたが、WHOはこれに対して、「広東
省以外では、そうとは言えない」との立場を崩さなかった。

(2003/05/30/10:32 読売新聞WEB版)