北京市衛生局、3月に新型肺炎隠ぺい工作…中国誌報道

【北京=浜本良一】30日発売の中国の雑誌「財経」によ
ると、北京市衛生局は今年3月13日、市内の医師を集め
て新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)治療の技
術指導などを行った際、SARSに関する情報は秘密扱い
とし、外部に漏らさないよう指示していた。

市当局の指示について、同誌は、北京で開催中だった全国
人民代表大会(全人代=国会)に悪影響を与えてはならな
いとの政治的配慮があったことを示唆している。

同市衛生局はさらに、同月24日に市内の大規模病院の院
長を集めて緊急会議を開催した際、各院長に対し、「(病
院の)内部は緊迫していても、外部には穏やかに対応する」
との精神でSARS問題に対応するよう求めたという。あ
いまいな表現ながら、この要求も、SARS情報隠しの指
示と受け取れるものだ。

同誌はSARSでの情報隠しを追及しており、これまでに、
「同僚から秘密にするよう言われた」とするSARS患者
受け入れ病院医師の証言も伝えている。

(2003/05/30/21:32 読売新聞WEB版)