新型肺炎患者入院の病院医師ら5人、日本入国が判明

新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)の患者が入
院していた病院に勤務経験のある香港と台湾の医師ら医療
関係者計5人が、先月から今月にかけて相次いで日本に入
国していることが2日、厚生労働省の調べでわかった。

現在も国内に滞在中の医師らに対しては、厚労省が連絡を
取って体調を確認しているが、これまでにSARSに特有
の発熱症状などは見られないとしている。

国内では5月上旬、SARSに感染した台湾人医師が入国。
この医師は国内で発熱した後も、観光旅行を続け、立ち寄
り先となった各自治体では、感染者の追跡調査などに追わ
れた。

こうした事態を受けて厚労省は同19日、入国者に対する
検疫を強化。SARS流行地の中国、台湾、香港からの入
国者には、10日以内に〈1〉SARSの疑いのある患者
を治療している医療機関で働いたことがあるか〈2〉同居
の家族にSARSの疑いで入院した人がいるか〈3〉SA
RSの疑いで入院した人に接触した経験があるか――など
について問う「健康状態質問票」の提出を、空港や港の検
疫所で受け付けている。

厚労省によると、先月19日から今月1日までに、〈1〉
の項目に「経験あり」と自己申告して入国したのは、香港
から医師2人と病院職員1人、台湾から医師1人と医療従
事者1人の計5人。台湾の2人は、患者と接触していない
とする、所属医療機関が発行したとみられる証明書を所持
していた。

5人は来日の目的について、商談、旅行、買い物などと申
告している。

5人は毎日2回の検温結果を厚労省に報告。2人はすでに
出国したという。

(2003/06/03/09:36 読売新聞WEB版)