新型肺炎の診断法開発に遅れ…WHO発表

世界保健機関(WHO)は2日、新型肺炎(重症急性呼吸
器症候群=SARS)の確実な診断法について、「当初期
待していたよりも開発が遅れている」と発表した。

診断法の確立の遅れは、各国におけるSARS制圧の取り
組みにも影響を与えそうだ。

今年3月にSARSが国際的な問題となってから、わずか
1か月で病原体が特定されたため、検査法も早い時期に開
発されるだろうとの期待が高まっていた。

しかし、SARSは、通常のウイルス感染症と異なり、発
症初期にウイルスが急増しにくい特徴があり、ほかの感染
症の早期診断に有効な「PCR法」(ウイルスの遺伝子を
検出する診断法)では、SARS発症初期の感染者を正確
に診断できない。従来の診断法の精度を上げる研究が進め
られているが、予想したより手間取っているという。

(2003/06/03/13:20 読売新聞WEB版)