WHO、中国当局の新型肺炎感染者数を疑問視

【ジュネーブ=大内佐紀】世界保健機関(WHO)のイア
ン・シンプソン報道官は3日の記者会見で、北京での新型
肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)感染者(可能性
例も含む)が先週から減少しているとの中国当局の発表に
ついて、「どのように感染者を数えているのか、WHOと
して情報を求めている」と述べ、疑問を投げかけた。

報道官は、「SARSに関しては、中国には信頼性の問題
がある。数字の減少が唐突だ」とも述べた。

報道官によると、5月26日には中国全土で24人の新た
な感染者(同)が報告されたが、27日には9人に減り、
6月2日にはゼロとなった。減少は北京の新感染者数減が
大きく寄与しているが、報道官は、「広東省などでは徐々
に感染者が減っており、数字も現実的だ」と述べる一方で、
北京でSARSが制圧されつつあると見るのは時期尚早と
した。

報道官は特に、中国当局がどのようにWHOの基準をあて
はめているかに疑問提起し、「SARSの診断法の確立を
急ぐ必要がある」と強調した。

(2003/06/03/20:33 読売新聞WEB版)