トロント、新型肺炎「感染地域」指定を解除

読売新聞WEB版
2003/7/2/21:33

 【ジュネーブ=大内佐紀】世界保健機関(WHO)は2日、カナダ・トロントに対する新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)の「感染地域」指定を解除すると発表した。

 WHOでは、このまま新たな感染者が出なければ、最後に残った台湾も5日に解除する予定で、SARSの終息がとりあえず宣言される形となる。

 WHOによると、トロントで最後に感染者が確認されたのは先月12日。WHOのヘイマン感染症対策部長は2日、「(SARSに関する)地球規模での緊急事態は最終局面に入った」との声明を発表した。

 トロントをめぐっては、香港から戻った女性らが今年3月にトロント市内で死亡、SARS感染の拡大が確認されたことを受け、WHOは3月22日から「感染地域」に指定、5月3日には感染度合いを3段階の「中度」と認定したが、5月14日に解除し、事実上の「安全宣言」を出した。ところがその直後にSARSの再発が確認され、5月26日には再び「感染地域」に指定されていた。

          ◇

 外務省は2日、新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)感染に関連してカナダ・トロントに出していた「十分注意」との渡航情報を解除した。世界保健機関(WHO)が感染地域のリストからトロントを除外したことを受けた措置。

(2003/7/2/21:33 読売新聞WEB版)


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