新型肺炎、WHOが事実上の流行終息宣言

読売新聞WEB版
2003/7/5/17:14

 【マニラ=源一秀】世界保健機関(WHO、本部・ジュネーブ)は5日、新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)の感染地域から、最後まで残っていた台湾を除外すると発表、SARSの流行が事実上、終息したことを宣言した。

 WHOによると、台湾での最後の感染者が6月15日に隔離されて以降、潜伏期間の2倍にあたる20日間を経過したが、新たな感染者がないため、「人から人への感染が断たれた」と判断した。

 ただ、北京、トロント、台湾、香港でまだ約200人の患者が入院中であることや、WHOの調査網から漏れた例がある可能性、動物間でウイルスが伝播(でんぱ)している可能性も否定できず、「ウイルスが根絶されたわけではない」として、監視体制は継続する構えだ。

 WHOによると、4日現在、SARSのために死亡した人は812人で、感染者(感染可能性も含む)は8439人。

(2003/7/5/17:14 読売新聞WEB版)


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