新型肺炎治療、ステロイド併用で骨に壊死の副作用

読売新聞
2003/10/13/03:03

 香港や中国で流行した新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)の患者数十人が、治療に使ったステロイド剤の副作用と見られる骨の壊死(えし)症状に苦しんでいることがわかった。

 ロイター通信によると、副作用の出ている治療薬は、抗ウイルス剤の「リバビリン」と、ステロイド剤を併用したもの。ステロイド剤は、多用すると骨に血液が循環しなくなり、ひどい場合は骨が壊死する副作用がある。

 香港ではSARS患者のほとんどがステロイド併用治療を受けており、主要な公立病院で、それぞれ10人以上の患者に副作用が見られた。中国本土でも同様の副作用事例があるという。

 香港では今年2月以降、1750人以上のSARS患者が発生し、300人近くが死亡した。香港当局では、治療を受けた患者に緊急の健康診断を受けるよう呼びかけるとともに、治療と骨の壊死の関連についても詳しく調べている。

(2003/10/13/03:03 読売新聞)  


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