新型肺炎消毒に洗剤有効 国立感染研が実験

共同通信
2003/11/28

新型肺炎(SARS)の原因となるSARSコロナウイルスを消毒するのに、市販の台所用合成洗剤に含まれる界面活性剤が有効なことを、国立感染症研究所の研究チームが二十七日までに突き止めた。  これまでは、新型肺炎患者が触れた可能性がある公共施設の手すりやトイレの便器の消毒にエタノールや漂白剤が使われていた。しかし、においがきつかったり、引火性があったりして扱いにくかった。同チームの高木弘隆さんは「洗剤であれば日常的に手軽に利用できる」と話している。  実験では、界面活性剤が含まれる合成洗剤を水で二百倍に薄めた中に、百万個の同ウイルスを約二分間入れた。その後、ウイルスをサルの細胞に触れさせ感染力を調べると、まったく感染しないことが判明した。  同チームは、合成洗剤を薄めた水に浸したぞうきんでふき掃除をしたり、複数の人が共用する食器や衣類を洗うのに使うと、感染の危険性を減らすのに役立つという。

(2003/11/28 共同通信)

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新型肺炎消毒に家庭用中性洗剤が効果

 食器洗いに使う市販の中性洗剤が、新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)ウイルスの消毒に有効なことを、国立感染症研究所(感染研)が突き止めた。

 感染研のSARS研究チームは、「直鎖アルキルベンゼン系」と「高級アルコール系」の界面活性剤をそれぞれ主成分とする中性洗剤2種類を水で様々な濃度に薄めた中に、SARSウイルスを2分間入れ、ウイルスを殺す効果を確認した。

 すると、いずれもわずか0・5%の濃度で、「100万個」のSARSウイルスを退治。中性洗剤には薄めても十分に消毒効果があることがわかった。

 SARS予防にはこれまで、塩素系化合物やアルコール類などが消毒剤として推奨されてきたが「危険で使いづらい」との声があった。感染研は実験結果を受け、SARS消毒指針を改訂、無害で入手の容易な中性洗剤も消毒剤に追加した。

(2003/12/1/11:54 読売新聞)


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